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寝るなメロス

『走れメロス』、牧野原中も市川五中も鎌ヶ谷三中も松戸五中も河原塚中も、星和塾に通う全ての二年生の試験範囲です。それだけ重要な作品です。

あらすじは皆さんご存じだと思います。友情と信実の男メロス…

ところがこのメロス、二年も会ってない友人を何の根回しもなく人質に差し出し、自分はすぐ寝ます。人の命がかかってるという緊張感があまりない。

王との約束で妹の結婚式のために三日間の猶予をもらったメロス。十里離れた妹の住む村に着いたのはあくる日の午前。さっそく結婚式の準備にかかり、疲れて深い眠りに落ちます。で、気付いたら夜…新郎の家に行って「結婚式を明日にしろ」とむちゃなことを言い始めます。「いや準備ができてないし勘弁して欲しい」とこんな議論が夜明けまで続き1日が終了。

結局、新郎側が折れて2日目の昼に結婚式を無理やり決行。雨が降り出し、大雨になります。参列者はきっと大迷惑だろうな…そのメロス、さぞかし友人のことを心配してるだろうなと思いきや「王との約束をさえ忘れて」祝宴を楽しみます。式には出席できたのだから、祝宴は…と思うのですが最後まで楽しみます。

タイムリミットは3日目の日没。ついに出発を決意します。ところがメロス、ちょっと寝てから出発しよう、と言い始めます。仕事ができない新卒社員のようにタイムマネジメントができていません。プランBみたいなものもない。結局この判断ミスが大きな災いにつながっていきます。

「寝過したか、いや、まだまだ大丈夫、これからすぐに出発すれば、約束の刻限までには十分間に合う。(中略)メロスは、悠々と身仕度をはじめた。」

と余裕がありすぎるメロス。少しでも早く到着して友人を助けよう、とは考えません。

「まっすぐに王城に行き着けば、それでよいのだ。そんなに急ぐ必要も無い。ゆっくり歩こう、と持ちまえののんきさを取り返し、好きな小歌をいい声で歌い出した。ぶらぶら歩いて二里行き三里行き…」

友人が人質である、という自覚は全くありません。

濁流を乗り越え、山賊を退治し、また路傍の草原にごろりと寝転がります。絶対に寝るなよ、と言いたくなります。ここで寝ちゃだめでしょ。そしたら水を飲んで復活。

2回も寝坊し、ギリギリ間に合うメロス…

「ばんざい、王様ばんざい。」って、冒頭で王様は「妹婿、お世継ぎ、妹、妹の子、皇后、賢臣のアキレス」を殺してることが明らかになっています。朝日新聞の世論調査でもやれば93%くらいが「辞任すべき」となるはず…ばんざい、とはならんだろう、とツッコミたくなります。

そんな太宰が勉強についてとても良いことを書いています。

それはまた次回にでも…

太宰

太宰の有名な写真。銀座のバー「ルパン」。今も現存し、私も学生時代から何度か飲みにいきました。この場所、店の奥のカウンターですが、同じ場所に座ってジントニックやマティーニを飲んでいると、太宰が隣に座ってきそうな気がします。

2021年02月11日