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ベートーヴェン生誕250年

いろいろあった2020年…歌が歌えない、ライブで人が集えない、合唱でクラスター、というのも今年の象徴的な出来事でしょう。

この冬は生誕250年のメモリアルイヤーだったベートーヴェンの第九が各地で高らかに鳴り響くはずでした。

フランス革命世代(実際交響曲第3番『英雄』はナポレオンに献呈するつもりでした)であるベートーヴェンは、それまで王族や貴族のものだった音楽を「誰もが好きな時に好きな音楽を自由に聴けるもの」にしました。今年我々が直面している危機はベートーヴェンが夢見た市民社会、「自由・平等・友愛」の危機でもあります。三密を避け、人々よ近付くな、という訳ですから…

第九は「歓喜の主題」(年末にかかるあのメロディ)が有名ですが、第3楽章の緩徐楽章と第4楽章の間奏、管弦楽のみの激しいフガートの部分(この箇所はDNAの塩基配列や二重らせんをイメージさせる)が特に素晴らしく、クラシック音楽の一つの到達点という感じがします。

新型コロナウイルスはまだまだ収束の見通しが立ちません。でも、このような困難な時であるからこそ、生涯「闘争」を続けたベートーヴェンの音楽に真摯に耳を傾けたい。今は自宅のオーディオで我慢ですが、いつの日か「人類がコロナに勝利した!」そう思える時、その時に相応しいのはやはりこの第九交響曲。ライブで聴ける日を信じて待ちたいと思います。

第九

2018年にNHKホールで聴いたマレク・ヤノフスキ指揮 NHK交響楽団の第九。クリスマスツリーが飾られ年末の祝祭的な雰囲気に相応しい(年末に第九やるのは日本だけの習慣ですが…)。

第九②

2020年10月22日